4-1.取引履歴の再開示請求
1.取引履歴の開示に応じない場合とは
取引履歴の開示義務を認めた最高裁判所平成17年7月19日判決以後、それまで10年以上前の履歴の開示には応じてこなかった業者も保存されている履歴に関しては開示に応じる場合が多くなりました。しかし、業者によっては「過去10年分のみの履歴を開示し、10年以上の前の履歴は破棄した」「●年●月●日以前はコンピューターにより自動削除されている」などを理由としてすべての取引履歴の開示に応じない場合があります。
本当に取引履歴がないのか、又は虚偽報告をしているのか、定かではない業者もありますので、その場合には再度の開示請求等を行い、詳細な調査を要求することが必要です。
2.業者が開示に応じない場合の対応
①文書、電話などで再度の開示請求を行う業者が「すべての取引履歴である」として開示してきた場合にも、業者側の確認漏れなどにより古い履歴が開示されていない場合もあり得る。例えば旧姓での借入れの場合、過去に一度取引が完済により終了している場合の完済前の取引に関する履歴などである。そのような業者側の確認漏れがないか再度電話や文書などにより確認を依頼する。
②監督庁に対して行政処分(指導)を求める申告
取引履歴開示義務を認めた最高裁判所平成17年7月19日判決以後はほとんどないが、中小の貸金業者では履歴開示請求後、数ヶ月経過しても履歴を開示してこない場合や明らかに意図的に履歴を隠していると思われる場合などがある。そのような場合には、監督庁に対して行政処分(指導)を求める申告等を行うことにより、すぐに開示に応じてくる場合もあります。
③推定計算、残高無視計算等により和解提案・訴訟提起
業者がすべての取引履歴を開示してこない理由には、「本当に履歴に保存されていない」という場合も実際にあるでしょう。
その場合には、再開時請求や監督庁に対する申告などを行い、いたずらに時間を費やすよりも推定計算や残高無視計算等により和解提案や訴訟提起を行う方が解決が早い場合が多い。
(参考)日本司法書士会連合会統一基準
取引経過の開示について当初の取引より全ての取引経過の開示を求める。
取引経過の開示は,金融庁の事務ガイドラインにも明記されており監督官庁からも業者に対し徹底することが指導されている。もし取引経過の開示が不十分な場合,和解案が提案できないことを通知し,監督官庁(財務局,都道府県知事)等へ通知する。
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