4.取引履歴開示(債権届出)
1.取引履歴の開示請求
消費者金融やクレジット会社のキャッシングなど、利息制限法超過利息での借入を行っていた場合には、利息制限法への引き直し計算を行う必要があります。借主側ですべての領収書や契約書類を保存していれば、その書類に基づき取引履歴を再現し再計算を行うことも可能ですが、すべての取引における関係書類を保存している場合はほとんどないのが実情です。
その場合には取引当初からの取引履歴を業者より取り寄せる必要があります。
2.取引履歴の開示義務
業者側が取引履歴を開示する義務があるか否かは裁判上争いがあり、下級審の裁判例では判断が分かれていました。しかし、最高裁判所平成17年7月19日判決により、業者側に「保存している取引履歴すべて」を開示する義務があることが裁判上明らかになりました(開示を拒否したことが不法行為として損害賠償請求の対象になることが認められました)。
3.開示までに要する期間
取引履歴の開示までに要する期間は、各債権者により様々ですが、概ね2週間~1ヶ月前後の期間を要します。最高裁判所平成17年7月19日判決により「保存している取引履歴すべて」の開示義務が明らかになりましたので、大手消費者金融はじめクレジット会社全般も開示を拒否することはありません。
しかし、最近の過払い金返還等の増加から膨大な開示請求に対し対応しきれない業者も多いようで、開示までに1ヶ月~2ヶ月以上の期間を要することも多くあります。
4.取引履歴開示の個別事情
一般に取引履歴開示請求を行う場合、履歴開示請求の態様として下記4点が挙げられます。①過払い金の発生までは期待できず債務圧縮(減額)を目的とする場合
②取引が長期に渡り過払い金の発生が期待できる場合
③取引が既に終了しており、過払い金の返還のみを目的とする場合
上記の態様により、取引履歴開示における業者の対応も異なります。
①の場合には、問題なく早々に開示される場合が通常です。
②の場合には、業者により開示態様が非常に遅い場合や小出しにしてくる場合がありますが、保存されている取引履歴に関しては開示請求に応じる業者がほとんどです。
③の場合には、大手消費者金融やクレジット会社は時間がかかる場合も多くありますが、保存している取引履歴に関しては開示請求に応じてきます。
しかし、一部の中小規模の消費者金融は開示義務自体を否定するケースや取引履歴の消去を理由などにして開示に応じない場合も多くあります。
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