過払い請求、完済後 過払い金返還請求、払いすぎ利息、過払い利息の返還についての相談受付

無料相談 045-900-7700 相談受付時間 平日9:00~21:00 土日9:00~18:00
ご質問・ご相談
過払い請求・過払い金返還請求手続・払いすぎ利息の返還

過払い金返還の争点

HOME > 過払い金返還の争点 > 残高ゼロ計算(残高無視計算)
みなし弁済の主張
取引履歴の不開示
完済後の取引履歴開示
完済後の再取引における別計算
過払い金返還請求権の時効消滅
過払い金に付される利息
残高ゼロ計算(残高無視計算)
過払い金返還請求権の時効消滅②
最判「特段の事情」について

残高ゼロ計算(残高無視計算)

 冒頭残高ゼロ計算とは、業者側が取引当初からの取引履歴を開示せず、開示履歴の当初の残高が残っていたとしても、その時点の残高を0円(残高を無視)としてその後の過払い金の計算を行う方法です。  取引履歴の開示義務が最高裁判例により認められてからは保存されている取引履歴はすべて開示する業者が多くなってきています。  しかし、一部の業者は未だに10年分の取引履歴しか開示してこない場合もあります。また、取引履歴の破棄等を理由に(実際に破棄されているかは定かではありません)、取引当初からの履歴が開示されないケースも多くあります。

主張、立証方法としては一般的に下記3つの方法(主張・立証)が用いられます。
1.冒頭残高があることの立証責任は業者側が負担するべきものと主張する
2.取引履歴の開示時点の残高が実際にもゼロ(ないしは過払い)の状態になっていると主張
3.取引履歴の文書提出命令申立により残高ゼロの真実擬制を認めてもらう

以下それぞれの具体的な主張・立証方法と実際の裁判における裁判所の対応について記載してみたいと思います。

1.冒頭残高があることの立証責任は業者側が負担するべきものである

 不当利息返還請求(過払い金返還請求)の要件事実から冒頭残高があることの立証責任を被告側(業者)に課すものです。
 一般的に過払い金返還請求の要件事実は①貸主・借主間で金銭消費貸借契約を締結したこと、②借主が貸主に対して利息制限法制限利率を超える利息・損害金を支払ったこと(同趣旨 加藤新太郎「要件事実の考え方と実務」民事法研究会)で足りると解することができるため、借主としては①②を主張・立証すればよいと言えるはずでだからです。
 また、冒頭残高がないこと(残高0円であること)を借主側で主張、立証しなければいけないとの結論になると、借主側が債権の存在やその発生原因事実についてまで証明責任を負担することになりますし、「ない」という消極的事実の立証は「悪魔の立証」と呼ばれ不可能を強いることになる等、極めて不合理な結果もたらすことにもなります。
 さらにもし仮に冒頭残高(貸付の事実等)についても借主が立証責任を負担し、その立証が出来ない場合には、途中開示の取引履歴における冒頭残高が認められるとの結論になると、貸主(業者)よりみなし弁済の主張立証もないまま、利息制限法超過の約定利率により計算された残元金が認められることにもなります。
 以上のとおり、取引履歴を途中からしか開示しないことの不利益(冒頭残高の証明責任)は取引履歴を開示しない貸主側が負担すべきであることが認められるものであると考えるべきであると主張するものです。

【実際の過払い金返還請求訴訟における対応について】
 しかし、実際の裁判上はこの主張だけを持って冒頭残高ゼロを認めてもらうことは難しいのが現状です。
 裁判所としては「実際にはどうだったのか?」ということを重視し事実と異なる結論を判断することを極力避けようと考えます。
 例えば、取引履歴の冒頭残高が約50万円あり、未開示部分が1年にも満たない事実が明らかとなった場合等、実際の取引を引き直し計算したとしても「冒頭残高がゼロになることは間違いなくない」と言えるような場合には冒頭残高をゼロとして計算する過払い金額を認めることは、明らかに事実と異なる請求金額(本来の過払い金より高額の過払い金額の請求)を裁判所が認めることになるからです。
 取引履歴すべてを開示しない業者側に不利益を与えるべく、実際には残高ゼロとはなっていないであろう事案においても残高ゼロを認める判断をしてほしいところですが、そのような場合の一般的な裁判所の訴訟進行としては「被告側から提出される推定計算書を認める」「原告側で推定計算するよう指示される」「和解を促される」等、残高ゼロとする判断を避けるような訴訟進行が行われるケースが通常です。
 そのため、冒頭残高ゼロ計算を裁判所が認める根拠としては下記2による場合が通常です。


2.取引履歴の開示時点の残高が実際にもゼロ(ないしは過払い)の状態になっている

 例えば、本来15年前後の取引が継続していたはずであったが、開示された取引履歴は直近10年分のみである場合、開示されていない10年以前の5年間の取引を利息制限法により引き直し計算をすることにより、開示された取引履歴の当初の残高は既にゼロないしは過払い金が発生している状態であったと主張する方法です。
 それでは、どのくらいの期間、取引履歴に未開示部分があれば冒頭残高をゼロと考えることが出来ると言えるかですが、取引履歴が開示されない場合とは、通常少なくとも10年以上前の取引についてのものです。現在の出資法の上限金利は29.20%ですが、平成12年5月末以前までは40.004%でした。
 多くの消費者金融はこの出資法の上限金利で貸付を行っていたため、当時の上限金利(40.004%)に近い金利で極度額50万円前後で極度額一杯の取引を継続していれば、通常5年前後で過払い金が発生していた可能性が高くなります(取引内容によっては3年~4年前後でも過払いとなっている場合もある)。  そのため、少なくとも4年~5年前後、取引履歴に未開示部分があれば、冒頭残高の金額にもよりますが、残高ゼロを立証(完全な立証は不可能)することが可能と言えます。

【実際の過払い金返還請求訴訟における対応について】
 実際の裁判においてはこの方法により残高ゼロを主張・立証することが多いと言えます。
 裁判官からも当然のように原告側に「残高ゼロを立証するように」と指示がある場合が通常です。
 残念ながら裁判官より被告側に「取引履歴を探すように」との指示はあっても、「冒頭残高があることを立証するように」と指示してもらえることはあまりありません。
 そのため、基本的には原告側で冒頭残高ゼロ(ないしは過払いの状態)を主張・立証することが必要になります。
 具体的には当初の契約書や取引明細の一部(領収書や銀行預金明細等)でもあれば、少なくともその当時に取引があった事実を証明することができますので、それを基に他の取引については本人の証言(陳述書)での推定で取引内容を主張・立証します。
 しかし、そのような書類が残っていることもほとんどなく、実際の立証は本人の証言(陳述書)のみにて行うことが多くなります。陳述書には取引当初からの取引内容について出来うる限りの記載(当時の生活状況など含め)を行い、「実際に取引があった事実」「そのような取引を続けていれば取引履歴開示時点の冒頭残高はゼロ」となっていた事実を立証することになります。
 具体的な取引内容の記載としては①取引当初の借入額(極度額)、②借入利率、③おおよその毎月返済額、④極度額増額の経緯(通常取引が継続していれば増額があるため)、⑤追加借入の経過などということになります。
 しかし上記①~⑤までの内容について10年以上前の取引ですから正確に憶えていることなど通常はないと言えるですが、憶えている限り(記憶にある限り)の取引内容について記載をしていけばよいということになります。
 一般的に陳述書は原告に都合のよいことだけを述べることになることが多く、又述べた事実が実際にあったことを証明することは不可能に近いことですので、証拠能力が決して高いものとは言えません。
 しかし、取引履歴がすべて開示されていない過払い金返還請求訴訟において、取引履歴未開示部分の取引内容についての原告側の唯一の証拠となることが通常ですので、裁判所も有効な証拠としての位置づけをしてくれることが多いと言えます。

3.取引履歴の文書提出命令申立による残高ゼロの真実擬制

 文書提出命令とは自己が所有していない文書について、提出義務を負う所持者(相手方当事者または第三者)にその提出を命ずることを裁判所に申し立てること(民事訴訟法220条)を言います。
 取引履歴の文書提出命令が裁判所に認められることにより、その命令にも反して業者側が取引履歴をすべて開示しない場合には、原告の主張する取引内容が認められることになります(真実擬制)。すなわち、冒頭残高がゼロであるという原告の主張が事実であるとして認められることになります。

【実際の過払い金返還請求訴訟における対応について】
   現在では文書提出命令の申立は残高ゼロでの過払い金額を主張、立証する際にはあまり有効な手段ではなくなっています。実際の裁判においても冒頭残高ゼロ計算での訴訟提起に文書提出命令を申立てることは現在ではあまり行われていないと思います(少なくとも当事務所では申立てしていません)。
 文書提出命令の申立には提出を命令する文書を相手側が保持していることを申立人側で立証しなければいけないという高いハードルがあります。現在では一部の業者を除き保存している取引履歴はすべて開示されているものと思われることも多く、以前のように明らかに取引履歴を保持しているのに開示していないというケースが少なくなっているからです。
 また、残高ゼロ計算での過払い金額の主張・立証において、本申立を行ったとしても文書提出命令の可否について判断されないことが多いと言えます。
 残高ゼロ計算での過払い金額の立証は上記2でも可能であり、上記2の立証が出来れば文書提出命令を発するかの可否を判断することなく残高ゼロ計算での過払い金額が認められるからです。文書提出命令の可否の判断には時間を要しますし、仮に裁判所が文書提出命令を発したとしても相手側から抗告があれば、更に時間を要することになります。また裁判所としても「真実擬制」という強力な効力のある決定を出すことは出来るだけ避けたいとの考えもあるのしょう。
 残高ゼロ計算での過払い金額を主張した場合の実際の裁判における文書提出命令申立については、訴訟の進行途中において残高ゼロ計算での過払い金額を他の書証などでの認定が出来ているとの判断があれば、裁判官から取下げを指示される場合がありますし、文書提出命令申立の可否を判断することなく判決となり「他の書証等により過払い金額の認定が可能であるとして文書提出命令を発する必要なし」として文書提出命令自体は却下される場合が通常です。


事務所概要 Office Info.

みなとみらい司法書士事務所
代表者 司法書士 佐藤鋭一
〒231-0063
神奈川県横浜市中区海岸通4-20
F.bld.みなとみらい5F

info@office-minatomirai.net
アクセスマップ
馬車道駅から事務所へのアクセス
JR関内駅から事務所へのアクセス
事務所から横浜地裁のアクセス
TEL:045-650-6560
FAX:045-650-6561
<主要業務エリア>横浜市,川崎市,藤沢市,横須賀市,鎌倉市,茅ヶ崎市,大和市,海老名市,綾瀬市,厚木市,平塚市,伊勢原市,秦野市,小田原市等を中心とした神奈川県全域、その他首都圏近郊
 
HOME
  • グレーゾーン金利について
  • 取引履歴について
  • クレジット会社からの借入
  • 過払金返還手続の進め方
  • 過払い金の計算方法
  • ブラックリストの問題
  • 完済後 過払い請求
  • 過払金返還手続 費用
  • メリット・デメリット
  • 過払い金返還の争点
  • 過払い金返還業者別対応
  • 重要最高裁判例
  • その他の整理方法
  • 事務所案内
  • ご質問・ご相談
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ
無料相談受付中 045-900-7700 相談受付時間 平日9:00~21:00 土日9:00~18:00

【みなとみらい司法書士事務所その他の管理サイト(リンクはご自由にどうぞ)】
過払い金返還/過払い請求 | 任意整理 | 借金整理 | 自己破産 | 少額訴訟 | 民事訴訟 | 民事調停 | 敷金返還 | サイトマップ
Copyright 2007 過払い請求のOffice-Minatomirai. All Rights Reserved.