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平成19年7月13日最高裁判所第二小法廷判決

07年07月13日

平成19年7月13日最高裁判所第二小法廷判決

過払い金の利息付加(悪意の受益5%)に関する新たな最高裁判所判決が「2件」)(原審:平成17(ネ)3075 原審:平成16(ネ)4567)出ました!

【事案の概要 原審:平成17(ネ)3075】
 各貸付の都度、各回の返済期日、各回の返済金額及びその元本・利息の内訳並びに融資残高を記載した償還表を交付しており、借主はこれを知った上で貸主の預金口座に払込をした場合、貸金業法18条1項に規定する事項を記載した書面を交付しなくても、貸主は各弁済時点において貸金業法43条1項の適用要件を満たしていると信じていたと認められるか(民法704条の悪意の受益者に該当しないと言えるか)が争われた事案。
【判決要旨 原審:平成17(ネ)3075】
 利息制限法の制限超過利息を受領した貸金業者が判例の正しい理解に反して貸金業法18条1項に規定する書面の交付がなくても同法43条1項の適用があるとの認識を有していたとしても,民法704条の「悪意の受益者」の推定を覆す特段の事情があるとはいえない。

【事案の概要 原審:平成16(ネ)4567】
 償還表の交付により貸金業法17条の交付要件を満たす書類となるか、又17条書面とならないとしても、その場合に貸主は各弁済時点において貸金業法43条1項の適用要件を満たしていると信じていたと認められるか(民法704条の悪意の受益者に該当しないと言えるか)が争われた事案。
【判決要旨 原審:平成16(ネ)4567】
1 各回の返済金額について,一定額の元利金の記載と共に別紙償還表記載のとおりとの記載のある借用証書の写しが借主に交付された場合において,当該償還表の交付がなければ貸金業法17条1項に規定する書面の交付があったとはいえない。

2 貸金業者が利息制限法の制限超過利息を受領したがその受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合、民法704条の「悪意の受益者」であることが推定される。
【本判決の意義】
 最近の裁判上では当然のように認められてきた「悪意の受益利息5%」について、最高裁においても「原則付加されるべき」であることがはっきりと判断されました。

 しかし、本判決はいずれも「償還表」を交付し、それをもって(契約書面と併せて一体のものとするなどして)貸金業者側としては貸金業法上のいわゆる17条書面又は18条書面として認識をしていたとの事案です。
 いずれの判決も「償還表の交付では貸金業法17条、18条の書面交付義務を満たしているとの認識を有しているとは言えない。」として悪意の受益者であることを認定しています。

 この点を捉え「償還表」ではない書面を交付していた貸金業者側としては、「事案が異なり当社の交付書類では悪意の受益者とはならないはず」との主張がなされることが考えられます。
 しかし、「原審:平成16(ネ)4567」においては、下記に判示するとおり、どのような事案においてもみなし弁済の適用がない限り「悪意の受益利息は原則付加されるべき」であることをはっきりと判断をしました。
 すなわち現在において裁判上、貸金業者との取引における「みなし弁済の適用の余地はない」ため、「悪意の受益利息は原則付加される」べきものであることとなります。

「貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが、その受領につき貸金業法43条1項の適用(みなし弁済)が認められない場合には、当該貸金業者は、同行の適用があるとの認識を有しており、かつ、そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り、法律上の原因がないことを知りながら過払金の取得をした者、すなわち民法704条の悪意の受益者であると推定されるものというべきである」


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