2.裁判管轄
破産手続きを行ったと言えども、業者は貸金の返還請求訴訟を提起することは現在の判例においては認められています。
以下に掲げる判例は、訴訟提起された場合の裁判管轄が遠方であった場合に、自身の住所地への移送申立が認められた裁判例です。
東京地判平8・10・31(消費者法ニュース30号23P)
電話キャッシングの形態による貸付の場合、「電話キャッシングの形態による貸付方法によって全国の消費者との間に多数の消費者契約を締結して利益を上げ、本件訴訟のような例外的なトラブルの費用についても原価計算上転化しうる立場にあるから、一消費者にしか過ぎない被告が、当裁判所における審理に臨む場合の経済的負担に比べれば、原告に生ずる損害は著しいものであるとはいえない」として、債務者の住所地への旧民訴法31条による裁量移送を認めた。
東京地判平9・5・2(消費者法ニュース32号84P)
貸金業者が本店所在地で訴訟を提起した場合、管轄合意約款があるのもかかわらず、「債務者が争う意思を有する場合に、本店所在地で応訴することは過大な負担となる一方、業者側では移送によって損害が生じない」ことを理由に、業者の営業店の裁判所に裁量移送を認めた。
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