自己破産Q&A
ここでは、自己破産についてよくあるご質問をQ&Aの形式にてまとめてみました。 一般の方は自己破産について誤解されている部分も多いようです。
- Q1自己破産とはどのような制度ですか?
- Q2 同時廃止とはどのような手続ですか?
- Q3 破産宣告を受けるとどのような不利益がありますか?
- Q4 破産宣告を受けると借金はなくなるのですか?
- Q5 免責は誰でも必ず受けられますか?
- Q6 Q5のような免責不許可事由があると免責されませんか?
- Q7 免責されない債権もあるのですか?
- Q8 借金をする際に保証人となってくれた人にはどのような影響がありますか?
- Q9 保証債務も債権者一覧表に記載するのでしょうか?
- Q10 破産申立をすれば債権者からの取立ては止まりますか?
- Q11 破産・免責手続中も給料差押えは続くのですか?
- Q12 不動産競売は止められますか?
Q1 自己破産とはどのような制度ですか?
自己破産とは、金融(サラ金)業者からの借金の額が多くなったりクレジットやローンで買い物をしすぎてしまったりして、あなたの財産や収入だけではすべての債務(借金)を返済することができなくなった場合に、裁判所の手続によりあなたの全財産をお金に換え(換価)、そのお金をすべての債権者に対して公平に配当(支払)して債務を清算する手続です。
破産手続において清算される債務は、サラ金業者やクレジット会社などの金融機関からの借金だけでなく、勤務先、知人・親族からの借入れなどあなたが支払わなくてはならないすべての債務が対象となります。
したがって、破産の申立書とともに提出する債権者一覧表に、すべての債権者の名前と債務額などを記入しなければなりません。
また、換価すべき財産には一定の額を超える現金や預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金や将来受け取ることのできるはずの退職金などが含まれます。
破産の申立書とともに提出する財産目録に,これらの財産を記入する必要があります。
※債務者自らが破産の申立をする場合のことを「自己破産」といいます。
Q2 同時廃止とはどのような手続ですか?
同時廃止とは、債務者の財産が一定の金額に満たない場合に、その財産の換価や債権者への配当をすることなく破産宣告と同時に破産手続を終わらせてしまうことです。
土地、建物などの不動産を所有している場合であっても、その不動産の時価よりも相当多額の担保権(抵当権など)が設定されている場合は同時廃止が認められます。
なお、会社などの法人については同時廃止は認めていません。また、法人の代表者や個人の事業者についても原則として同時廃止は認めていません。
※債務者にある程度の財産がある場合は裁判所が弁護士の中から破産管財人を選び、この破産管財人が財産の換価と債権者への配当をした後に破産手続が終わります(管財事件)。
Q3 破産宣告を受けるとどのような不利益がありますか?
法律上や社会生活上、次のような制約を受けます。
資格制限として、株式会社や有限会社の取締役や、その他一定の職業(警備員・保険外交員・宅地建物取引業者・弁護士・司法書士・公認会計士など)に就けなくなります。ただし、免責決定が確定すればこの制約は解除(復権)されます。
なお、あなたが破産者となったことを本籍地役場に通知します(戸籍に記載されることはありません)。また、選挙権や被選挙権を失うことはありません。
破産宣告によって、経済的な信用を失うことになりますので、取引などで不都合が生じることが考えられます。
破産宣告は債権者に通知をするとともに、官報(国が発行している新聞のようなもので、図書館などで閲覧ができます。)にその事実が掲載されます。
管財事件の場合、破産宣告を受けると、破産者の財産は原則としてすべて裁判所が選任する破産管財人によって管理されることになり、自由に使用したり処分したりすることができなくなります。また、破産者は破産手続が終わるまで裁判所の許可を受けずに転居することができず、破産者あての郵便物はすべて破産管財人が中身を検査することになります。破産管財人の仕事に協力しない破産者は、刑罰を受けたり身柄を拘束されたりすることもあります。
Q4 破産宣告を受けると借金はなくなるのですか?
破産宣告(同時廃止)の決定がされると破産手続きは終了しますが、あなたの債務が消滅するわけではありません。
免責を認める決定(免責許可決定)が確定することで初めて借金を返済する責任が免除されます。免責とは、誠実な破産者が経済的に再スタートできるようにする制度です。
Q5 免責は誰でも必ず受けられますか?
免責の目的は、誠実な破産者に経済的な立ち直りの機会を与えることです。
したがって、あなたが誠実でない行いをした場合や立ち直る努力をしない場合には免責されないこともあります。免責を受けられない事由(免責不許可事由)には次のものがあります。
- ・自分や他人の利益のために、債権者に害を与える目的で自分の財産を隠したり、その価値を減少させたりした場合
- ・浪費やギャンブルなどにたくさんのお金を使って借金を増やした場合
- ・クレジットカードで買物をし、すぐに安い値段で業者などに売り払ったり、質入れをしたりした場合
- ・既に借金を返すことができない状態にあることを隠してお金を借りた場合
- ・嘘の事実を書いた債権者名簿を破産や免責の申立の際に裁判所に提出したり、自分の財産について裁判所に嘘を言ったりした場合
- ・氏名や生年月日等を偽って借入れをした場合
- ・免責の申立前10年以内に免責を受けたことがある場合
Q6 Q5のような免責不許可事由があると免責されませんか?
その事由の程度や事情を検討した結果、免責させるのが妥当だと判断した場合には、免責を許可する場合もあります。
大切なのは、申立書などの作成や審問の際、裁判所に対して嘘や偽りのないように本当の事実を明らかにすることです。
Q7 免責されない債権もあるのですか?
税金・健康保険料・年金、罰金、故意の不法行為による損害賠償債務は免責の対象となりません。
また、債権があると分かっていながら債権者一覧表に書かなかった債権についても免責の対象とはならないので、債権者一覧表を書く前にはきちんと調べることが必要です。
Q8 借金をする際に保証人となってくれた人にはどのような影響がありますか?
免責の効果は保証人には及ばず、保証人の支払義務はなくなりません。
Q9 保証債務も債権者一覧表に記載するのでしょうか?
あなたが誰かの保証人になっている場合は、その保証債務を債権者一覧表に記載する必要があります。
Q10 破産申立をすれば,債権者からの取立ては止まりますか?
申立後に申立人から事件受理票を送付(郵送)された債権者は、貸金業規制法によって取立てが規制されます。
Q11 破産・免責手続中も給料差押えは続くのですか?
管財事件(破産管財人を選任する事件)でない場合は、免責決定の確定までは給料の差押えは可能ですので、債権者によっては訴訟を提起し給料の差押え行ってくる場合があります。
Q12 不動産競売は止められますか?
抵当権は破産手続の影響を受けないので競売は止められません。
また、競売後の残債務の免責を受けるためには、抵当権者も債権者名簿に記載することが必要です。
みなとみらい司法書士事務所
代表者 司法書士 佐藤鋭一
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